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SILS
傷跡の目立たない手術=Single Incision Laparoscopic Surgery (SILS: 単孔式内視鏡外科手術)
外科手術には、患者さんの症状や身体の状態に応じて、開腹手術や内視鏡外科手術といった治療方法が検討されます。最近では、お臍(へそ)の1 つの切開から腹腔鏡(ふくくうきょう)や手術器具を挿入し手術を行うSingle Incision Laparoscopic Surgery (SILS=単孔(たんこう)式内視鏡外科手術)と呼ばれる手術が行われるようになりました。SILS でお臍(へそ)にあける切開創(せっかいそう)は500円硬貨の直径よりも小さい傷跡で、手術後はお臍(へそ)に隠れてほとんど目立たなくなってしまいます。
このようにSILS は、開腹手術や従来の内視鏡外科手術と比較して、美容的なメリットが期待できるため、胆のう摘出術、虫垂切除術、鼠径(そけい)ヘルニア修復術や、子宮摘出術をはじめとする婦人科疾患など様々な手術で行われています。
SILS及び内視鏡外科手術のメリット
  • お臍(へそ)からの手術は傷跡が目立ちにくい
  • 開腹手術よりも回復時間が早い
  • 従来の開腹手術よりも術後疼痛が少ない
しかし、SILS は全ての患者さんに適応できるわけではありません。患者さんの身体の状態や症状によってはSILS を選択できない場合があります。また、開腹手術や従来の内視鏡外科手術より手術の難易度が高くなります。まずは、主治医の先生に話を聞いていただき、ご自身にあった最良の治療方法を見つけてください。
【SILSについてもっと知りたい方は下記をご覧ください。】
「胆石症」
胆石症とは、胆のうや胆管の中に結石ができる病気で、多くは胆のう内に胆汁が濃縮した胆汁成分が変化して、コレステロール石やカルシウム石などができます。女性、肥満、中高年などで多く発症し、日本人の約10%が胆石症に罹患するといわれています。胆石症の症状としては、腹痛、発熱、黄疸(おうだん)などがあげられます。また、胆石疝痛(せんつう)発作といわれる激しい右上腹部痛が発生する場合があります。
胆のう摘出術が必要な最も一般的な症例は、痛みの原因や、胆汁の貯蔵・放出の妨げとなる胆石を取り除くことです。
胆のう摘出術には下記の3種類の方法があります。
開腹による胆のう摘出術
開腹による胆のう摘出術
腹腔鏡下胆のう摘出術
腹腔鏡下胆のう摘出術
SILS(単孔式腹腔鏡下)胆のう摘出術
SILS(単孔式腹腔鏡下)胆のう摘出術
開腹による胆のう摘出術
開腹手術では腹部右側の肋骨の下に大きな切開創(せっかいそう)を開けて手術を行います。
この切開創は鉗子で大きく開かれ腹部の筋肉を何層も切開しますが、術者が直接、患部を見て、また手で触って手術が行えるため、緊急時の対応も容易で、安全に手術が行えます。
腹腔鏡下胆のう摘出術
腹腔鏡下外科手術は、カメラを使用するための小さな切開創と、鉗子(かんし)と呼ばれる手術器具(直径:5mm~1cm)を挿入するための3~4個の切開創で行われます。
腹腔鏡を通してモニターへ映像が送られるので、術者は患者さんの腹腔内を拡大してはっきりと見ることができます。ただし、直接手で触れることができないことや、開腹手術と比べて手術の難易度が上がることから、トレーニングを受けた医師による手術が必要となります。
SILS(単孔式腹腔鏡下)胆のう摘出術
SILSは、お臍(へそ)に一つの切開創を通して実施される手術方法です。この手術方法は、胆のう摘出術の新たな選択肢として受け入れられつつあります。
ただし、患者さんの身体の状態や症状によってはSILSを選択できない場合があります。また、開腹手術や従来の内視鏡外科手術より手術の難易度が高くなります。
「子宮内膜症」
子宮内膜症とは、月経の時に子宮の内側からはがれ落ちる子宮内膜に似た組織が、子宮以外の腹腔内にできる病気です。20代後半から40代前半の卵巣機能が活発な時期に発生することが多く、10人に1人の女性が罹患するといわれています。症状としては、月経痛、腰痛、排便痛、性交痛などがあり、強い痛みが続くことが特徴としてあげられます。
「卵巣のう腫」
卵巣のう腫は、卵巣にできる良性の腫瘍で、卵巣内に分泌物がたまってできる袋状の腫瘍です。30代から40代の女性に多く発生すると言われています。初期の段階では自覚症状がありませんが、のう腫が肥大してくると膀胱や尿管が圧迫され頻尿を起こし、腸が圧迫されることで便秘を起こすことがあります。月経や排卵の時、月経時以外でも腰痛や腹痛が起こる場合もあるようです。
「子宮筋腫」
子宮筋腫とは、子宮の筋層にできる良性の腫瘍で、40代の女性の約約4、5人人に1人が子宮筋腫を持っているといわれています。近年の研究で、卵巣から分泌される女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが、子宮筋腫を成長させることが明らかになってきました。症状としては、過多月経、月経痛、不妊・流産、排尿障害、便秘、腰痛などがあげられます。過多月経により貧血を起こし、めまいやだるさ、動悸といった症状が発生する場合があります。
開腹による子宮筋腫出術
開腹による子宮筋腫出術
腹腔鏡下子宮筋腫摘出術
腹腔鏡下子宮筋腫摘出術
SILS(単孔式腹腔鏡下)子宮筋腫摘出術
SILS(単孔式腹腔鏡下)子宮筋腫摘出術
開腹による子宮筋腫摘出術
開腹手術は最も侵襲(しんしゅう)の大きな開腹手術になります。下腹部に約12~20cmの大きな切開を行います。開腹手術からの回復には、一般的に病院で1週間から10日間の入院が必要で、退院後も安静期間を必要とします。この手技は大きく目立つ傷跡を腹部に残しますが、術者が直接、患部を見て、また手で触って手術が行えるため、緊急時の対応も容易で、安全に手術が行えます。
腹腔鏡下子宮筋腫摘出術
腹腔鏡下手術はカメラを使用するための小さな切開創と、直径5mm~1cmの小さな切開創3~4個から、鉗子(かんし)と呼ばれる手術器具を挿入し、子宮筋腫の摘出を行います。 腹腔鏡を通してモニターへ映像が送られるので、術者は患者さんの腹腔内を拡大してはっきりと見ることが可能になります。ただし、直接手で触れられないことや、開腹手術と比べて手術の難易度が上がることから、トレーニングを受けた医師が実施する必要があります。
なお、腹腔鏡下手術を受けた患者さんは、通常、仕事やその他の活動に復帰するのに2週間程度かかります。また、この手技では数か所の小さな傷跡が残ります。
SILS(単孔式腹腔鏡下)子宮筋腫摘出術
SILSは、お臍(へそ)の小さな切開創(500円硬貨の直径よりも少し小さい切開)から子宮筋腫を摘出します。 SILSは他の方法よりも患者さんの生活の質(QOL)を改善する可能性を備えています。
ただし、患者さんの身体の状態や症状によってはSILSを選択できない場合があります。また、開腹手術や従来の内視鏡外科手術より手術の難易度が高くなります。
傷跡をより小さく、最小限に
お臍(へそ)に一つの切開創で行われるSILS(単孔式腹腔鏡下)子宮筋腫摘出術は、従来の開腹による子宮筋腫摘出術で下腹部を大きく切開した切開創(せっかいそう)や、腹腔鏡下子宮筋腫摘出術に必要な小さな数か所の切開創を最小限にできる可能性があります。
傷跡が目立ちにくくなる可能性
SILS(単孔式腹腔鏡下)子宮筋腫摘出術は、約2.5cmの一つの切開創のみで手術を行います。この小さな切開創はお臍(へそ)の内側に隠れてしまうので、従来の子宮筋腫摘出術で必要とされていた傷跡を目立たなくすることが期待されます。
痛みと回復時間を減らせる可能性
SILS(単孔式腹腔鏡下)子宮筋腫摘出術は、従来の開腹手術や腹腔鏡下手術と比べて、痛みを減らせるかもしれません。なぜなら、SILS子宮筋腫摘出術はお臍(へそ)の小さな切開創のみで実施できるため、目に見える皮膚の傷だけでなく、皮下の筋肉や結合組織の創の切除を最小限にとどめる事ができます。このことによって、開腹手術よりも短期間で回復する事が期待されます。
しかし、SILSは全ての患者さんに適応できるわけではありません。患者さんの身体の状態や症状によってはSILSを選択できない場合があります。また、開腹手術や従来の内視鏡外科手術より手術の難易度が高くなります。まずは、主治医の先生に相談し、ご自身にあった最良の治療方法を見つけていただくことをお勧めします。