パルスオキシメータとは
呼吸管理中に必要な生体情報モニタ、パルスオキシメータについて解説いたします。
- パルスオキシメータは何をモニタリングしていますか?
- パルスオキシメータは、動脈血酸素飽和度を非侵襲的、連続的、リアルタイムにモニタリングしています。
これにより低酸素血症を早期発見することが可能となり、呼吸管理に欠かせないモニタです。
動脈血酸素飽和度は、パルスオキシメータで測定したものをSpO2、血液ガス分析で測定したものをSaO2と表記します。
- 動脈血酸素飽和度とは何でしょうか?
- 血液中の酸素は、血しょうに溶解する溶解酸素と、ヘモグロビン(Hb)と結合している結合酸素の二つのかたちで存在しますが、溶解している酸素はわずか1~2%で、大部分の酸素はHbに結合して組織に運搬されます。 酸素と結合したHbを酸素化Hb、酸素と解離したHbを還元Hbと呼び、動脈血酸素飽和度とは、この酸素化Hbの占める割合を%で表したものです。

- したがって動脈血酸素飽和度は、運搬されている酸素量を評価する上で非常に重要な指標です。
容積脈波法
- どうしてセンサを装着しただけでSpO2が測定できるのですか?
- パルスオキシメータは、センサの発光部から二つの光(赤色光:Rと赤外光:IR)を発光し、指先などの装着部位に吸収されずに透過してきた光を受光部で受け、SpO2やPR(脈拍数)を測定しています。
測定部位に吸収される光の量はその容積に影響されますので、動脈の拍動による容積の変化を吸収された光の量的変化で捉え(容積脈波法)動脈を特定します。 
- そして酸素化Hb(鮮紅色)はIRを吸収しやすく、還元Hb(暗紫色)はRを吸収しやすいという吸光特性を利用して(分光光度法)R・IRの吸収された光の比率(図3)によりSpO2を算出しています。

SpO2を臨床で評価する上で大切なポイント
- SpO2を臨床で評価する上で大切なポイント(数値)はどこでしょうか?
- 酸素飽和度(SO2)と酸素分圧(PO2)の相関関係を表した標準酸素解離曲線(ODC)で、重要なポイントをみてみましょう(図4)。
*ただし患者の生理学的状態の影響を受けて、ODCは左右にシフトすることを念頭においてアセスメントする必要があります。(図5) 
- ●PO2=60mmHg⇔SO2=約90%: 室内吸入時、PaO2が60mmHg以下の場合呼吸不全と診断されます。
このポイントを下回るとSaO2が急激に下降し、酸素化の効率が非常に悪くなります。 - ●PO2=40mmHg⇔SO2=約75%:このポイントは混合静脈血の値ですが、動脈血の値がここまで低下すると中枢性チアノーゼが出現するといわれています。
したがって中枢性チアノーゼ出現時には、低酸素血症がかなり進行している可能性があります。
SpO2を正しく測定する方法
- SpO2を正しく評価するために注意することは何ですか?
- SpO2は、何%のHbが酸素化されているかを表したものです。
したがって、低酸素症(組織で酸素が不足した状態)のその他の原因(貧血や循環不全等)にも注意が必要です。
例えば貧血の場合、酸素を運ぶHbそのものが減少しているため、たとえSpO2に問題が無いとしても組織では低酸素状態になっていることが考えられます。
またパルスオキシメータは異常Hb(一酸化炭素ヘモグロビンやメトヘモグロビン等)を測定対象としていないため、一酸化炭素中毒やメトヘモグロビン血症等で異常Hbが増えると、SpO2の測定に影響を与えます。
その他に色素製剤(メチレンブルー等)を使用した場合、その色が還元Hbに似ているため、測定されたSpO2が実際のSaO2より低めになることを知っておく必要があります。
- SpO2を正しく測定するために注意すべきことは何ですか?
- パルスオキシメータは測定原理上、動脈が測定できなくなったり、周囲光や色(マニキュア等)の影響を受けると正しい測定ができない場合があります。

- 正確な測定のためには、体動等の外部干渉や末梢低灌流に強いパルスオキシメータを選択することと、モニタリングに適したセンサを選択することが重要です。
特に患者の生体情報を捉えモニタに伝えるセンサは、その選択と装着方法に注意が必要です。
まず、正確に患者の生体情報を得るために発光部と受光部が相対するように装着します。
装着部位に圧迫が加わると、静脈拍動をおこし測定値が不正確になったり、末梢低灌流時のわずかな動脈拍動を圧迫し測定不能となったり、末梢循環不全を起こす場合もあります。
そのような影響を最小限にし、正しくモニタリングするには、粘着式センサの使用が推奨されます。
またセンサの粘着を利用し圧迫を加えずに密着させることで、光の影響や体動による影響も軽減されます。

