コヴィディエン アカデミア

人工呼吸管理の基礎 4 モード(Advance)

最近の人工呼吸器には人工呼吸管理の基礎 1であげたA/C、SIMV、SPONTの他にも複数のモードが搭載されています。このページではPuritan Bennett™ 840に搭載されているモードについてご紹介いたします。

  1. 1.BiLevel

    BiLevelとは、高相と低相の二相のPEEPレベルを一定時間交互に繰り返すモードで、両相において自発呼吸が可能です。PEEPの切り替えは設定時間を基本としますが、Puritan Bennett 840のBiLevelは両相への移行は自発呼吸に同期するので、患者同調性に優れています。また、低相および高相でPSVやTCを付加することもできます。自発呼吸がない場合には、PCと同様の動きになります(高相PEEP=PCの吸気、低相PEEP=PCの呼気)。

    図1. BiLevel 図1. BiLevel

    【利点】 (1)換気血流比不均等分布を改善1)
    (2)循環動態への影響が少ない1)
    (3)鎮静薬の使用を最小限にできる1)
    (4)頻呼吸などの場合でも同調性が良い1)
    (5)低相PEEPと高相PEEPの圧差により換気の増大が期待
    (6)高相PEEPの時間を延長することで酸素化の改善も可能
    (7)PC-A/Cとしても機能するため、強制換気からウィニングまで幅広く利用することが可能

    【観察のポイント】1)

    • 自発吸気をトリガしているか
    • 吸気量不足はないか
    • 内因性PEEPを生じていないか
    • 自発呼吸が頻繁に出現すると分時換気量が過剰になる場合がある(換気量が上昇する)
  2. 2.VC+:Volume Control Plus

    VC+とは、ターゲットボリューム圧換気のことで、設定した換気量(ターゲット換気量)をできるだけ低い圧で換気するモードです。強制換気の場合は、従量式での気道内圧上昇による圧損傷、従圧式での低換気や過換気を防止します。ターゲット換気量を漸減波で送気し、算出されたコンプライアンスをもとに、ターゲット換気量を保証する最低圧でPC換気を行います。
    コンプライアンスが低下しターゲット換気量を下回ると、ターゲット換気量に達するまで圧を上昇させ、コンプライアンスが改善してターゲット換気量を上回ると、ターゲット換気量まで圧を下降させ、常にターゲット換気量を最低圧で換気できるよう作動します。

    図2. VC+:Volume Control Plus 図2. VC+:Volume Control Plus
  3. 3.PAV+:Proportional Assist Ventilation Plus

    PAV+とは、1回換気量や換気圧を固定して管理する従来の換気様式とは異なり、常に変化する患者の換気量に応じてガス供給を調節するモードです。患者の呼吸筋力に比例して、圧やフローをサポートし呼吸仕事量を軽減させるモードで、患者同調性に優れているといわれています。また、呼吸仕事量(呼吸運動により発生する仕事量)をリアルタイムに表示するので(図3)、これを指標に設定を行うことで患者の快適性が向上します。
    自発吸気の呼吸仕事量は、肺や胸郭の弾性抵抗(エラスタンス)と気道などで生じる粘性抵抗(レジスタンス)により生じます(図4)。PSはYピース部をターゲットに一定の圧でサポートしていますので、小さな呼吸ではオーバーサポート、大きな呼吸ではアンダーサポートになったりする可能性があります。PAV+は、気管チューブの抵抗補正に加え、患者の気道抵抗や肺胸郭コンプライアンスをもとに呼吸仕事量を算出し、その変化に追従して吸気のサポートを行います(図5)。

    図3. PAV+時の画面 図3. PAV+時の画面 図4. 呼吸仕事量(Work Of Breathing ; WOB) 図4. 呼吸仕事量(Work Of Breathing ; WOB) 図5. PSとPAV+の違い 図5. PSとPAV+の違い

    参考文献 1) 中沢弘一: 2相性PEEP(BIPAP)とassist control ventilation(ACV)をどう使い分けるか?.
      In: 安本和正他編.呼吸療法における不思議50. 2011: 76-81.

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